通りには名前がある。例えば、栃木旧市内ならば、「大通り」「皆川街道」「鍋山街道」等々。ところで、「大手前通り」ってどこ?
「大手前通り」はここ。
これは、大正3年に作られた、旧第一小学校の西校舎新築のための青写真。「旧県庁大手前」と表記がある。
令和4年11月現在はこうなっている。
ところで、大手前の、「大手」とは城の正面のことを表す。
つまり、「大手前通り」は城の正門前の通りのこと。
栃木町には、城がなかったから、栃木県庁を城に見立てて、
県庁の正門前の通りを「大手前通り」と言っていたようだ。
別に作られた大正3年の青写真をよく見ると、大手前通りに
鍋山道路(鍋山街道)が続いている。
このままでは、西校舎を新築する余地がない。
そこで、以下の青写真のように
第一尋常・高等小学校に西校舎を新築するために、鍋山道路を西に移動せざるを得なかったことが分かる。尚、「既成校舎」は「高等小学校」の校舎であろう。
鍋山街道が栃木中央小学校のところで微妙に湾曲しているのは、第一尋常・高等小学校の西校舎を新築するために、道を西に寄せたためであることがわかる。
尚、第二尋常・高等小学校北舎(旧第二小学校)の跡には栃木中央小学校が、第二尋常・高等小学校南舎の跡には市立美術館が、第一尋常・高等小学校(旧第一小学校)西舎の跡にはキョクトウ楽習館がそれぞれ建っている。